ジャズヴォーカリストniko

ジャズヴォーカリストnikoのブログです。My Favorite Thingsであるスタンダード・ジャズのことを主に綴ります。ライブ案内もこちらで!

「ピアノマン」沢辺雪祈の胸の内―BLUE GIANT

BLUE GIANTのスピンオフ小説「ピアノマン」、
読み終えました。
冒頭で涙、終盤で号泣。
乗り物の中で読んではいけない本です。笑

 

ピアニスト沢辺雪祈の物語です。
結末は知ってるんだけど、
そこに至るまでの彼の胸の内や奏でる音を
こんなに丁寧に描けるなんて。
しかも文字だけで。
多くの音楽家が同じようなことで悩んだり
迷ったりしていると思います。
めちゃくちゃ共感する場面がいっぱいありました。

 

わたしは多分、
BLUE GIANTの主人公宮本大より、
次々と現れる癖のある周りの人物が好きです。
といっても全員主人公が見つけてくるんだけど。

これまでBLUE GIANT
日本編、ヨーロッパ編、アメリカ編
と読みましたが、
アメリカ編の最後で出てくるベーシストが
めちゃくちゃ好きです。
ほぼアル中なのに、演奏はすごい。


そのベーシスト、ジョーの言葉。

「一分一秒を惜しんで
金のために働くのが『正気』なら、
俺は正気をなくしたい。
そのために酒を飲んで、
ジャズをやって
正気をなくすのさ。

客もジャズに酔いに来てるんだぜ。」


くー、痺れる。

BLUE GIANTまだ読んでないのはモメンタム編。
一気にアメリカ編とスピンアウト読んじゃったからな。
もう少し後にしようと思います。
それよりもっとスピンオフ企画でてこないかな。



そうそう、アメリカ編は最後に雪祈がでてきます。
これがまた泣けるんですよ。 
BLUE GIANTってジャズをモチーフにしてるだけで
実は汗と涙の青春物語よねって思ったりする。(笑)
特にこの「ピアノマン」は淡い恋のお話もでてきたりして。
もちろん好きです。


#ジャズ
#ブルージャイアン

 

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ヨーロピアンジャズ研究会Vol.1

3/23は心斎橋Rastro845でのライブでした。
今回は「ヨーロピアンジャズ研究会」とタイトルをつけました。
Vol.1なので、しばらく続けます。

アメリカのジャズも好きですが、
時々気がつけばヨーロッパのジャズシンガーを追いかけていることがあります。

何か惹かれるんですよね。
それから以前、台湾で開催されたコーラスグループの世界大会を見た時、
ヨーロッパのグループの桁違いの上手さに圧倒されたことも
興味を持つようになった理由です。

その大会の審査委員を務めていたMichele Weir氏にそのことを伝えてみました。
すると、東・北ヨーロッパには独特の民族音楽や教会の音楽があって
非常に複雑な歌が伝承されている。
幼少期にその歌を地元で練習している人達は
比較的歌がうまい人が多い、とのことでした。
ほーう、なるほど。
そういえば、一時ブルガリアンヴォイスにハマっていました。
不思議な幻想的なハーモニーなんです。
それから、北方民族のサーミにはヨイクという民謡があります。
これが即興的で独特の発声で、
言葉はわからないんだけど、なぜかひきこまれるのです。
これは面白いなあと思い、
しばらくヨーロピアンジャズを追いかけてみることにしました。
ただし、私が取り組むので「歌」「ヴォーカリスト」視点です。
その点はご了承くださいね。

ということで『ヨーロピアンジャズ研究会Vol.1』のセットリストを解説つきであげてみます。
この日は1部がヨーロピアンジャズ、

2部はスタンダードという構成。

1部ではスウェーデンのシンガー、

モニカ・ゼタールンドを取り上げました。
母国語ではセッテルンドという感じで発音するみたいです。
スウェーデン、漢字表記は「瑞典」。
考えたら、アバもカーディガンズスウェーデン出身ですね。


彼女はいくつか録音を残していますが、
ビル・エヴァンスと録音したアルバム

「ワルツ・フォー・デビィ」
代表作なのでその中から選曲しました。

 


『ワルツ・フォー・デビィ』

1964年8月29日
ストックホルムで録音

モニカ・ゼタールンド(vo)
ビル・エヴァンス(pf)
チャック・イスラエル(b)
ラリー・バンカー(ds)

フィリップス・レコード
(オランダの電気メーカー「フィリップス」が創設したレコード・レーベル)

選曲したり、彼女のことを調べたり、
練習しているプロセスで気づいたことや発見がたくさんありました。

それもあわせて書いておきます。

 

それではセットリストです。

1stセット
☆ピアノソロ(4月にリリースされる宮下さんの新アルバムの中から)

1.    I Can’t Give You Anything But Love 
エヴァンスとのアルバムには入っていないのですが、
彼女は以前から歌っていたようです。 

2.   Come Rain or Come Shine

この曲はエヴァンスの美しい演奏が残っています。
おそらくその世界観に沿うような歌唱をモニカはしたんだと思うのですが、
今回は少しビート感を出してミディアム・スイングで演奏しました。
あえてキーも1度下げました。
キーを変えた理由は後で書きます。
ただ、エンディングだけはこの録音と同じにしました。
ご一緒いただいた宮下さんは本当にたくさん音楽を聴いていらして、
楽譜を見ただけで理解してくださるのでありがたいです。
最後に短いブレイクをつくっているのですが、
そこへの持って行き方が絶妙で、胸がきゅんとします。(笑) 

ええ、わたしはマニアですから。

3.    Waltz For Debby
曲順は変えていますが、
モニカの録音イメージに近い感じで演奏すると
ライブでは少し平板になるかなと思い、ところどころ変えています。
この曲は出だしをルバートにしました。
本当にかわいらしく素敵な曲です。

モニカは英語の歌をスウェーデン語で歌ったことで
自分の歌の世界を切り拓きました。
どうもアメリカ進出時に
「黒くない(スイングしないとかジャズっぽくないという意味)」
などと酷評されたそうです。
特にあこがれていたエラ・フィッツジェラルド
「心がこもっていない(英語の意味わかってんのか)」
と言われたのはかなりこたえたようです。
そらそうやろな、それにしてもエラも厳しいな。
と同情するわたし・・・。
アメリカから帰国後半ばキレ気味に
「英語の気持ちなんかわかるか、
わたしはスウェーデン人なんだから母国語で歌うわ」
と言い出してスウェーデン語で歌いだしたという経緯があるようです。
たまたま素晴らしい詩人(ベッペ・ウォルゲス)と
知り合ったことも後押ししたようです。

Take5をスウェーデン語で歌っている録音があるのですが、
かなり衝撃的でした。
個人的にはスウェーデン語とこの曲は合わん・・・と思いましたが。(笑)

Waltz For Debbyは
土岐麻子さんがかわいらしい日本語の歌詞をつけているので
次回はそちらで歌ってみるのもいいかなと考えています。

  
4.    Once Upon A Summertime  ~ Some Other Time 
宮下さんの提案でOnce Upon A Summertime を短いピアノソロで
ヴァースのように弾いていただき、
そこから自然に美しい流れでSome Other Time に入りました。
Once Upon A Summertimeはミシェル・ルグラン(フランス)の作品。
哀愁漂うパリの街角が浮かんできます。
きっと天気は曇りなんだ。
霧雨が降ってるかも。
などと思いつつ、Some Other Timeへ。
いくつかつくっていただいたブレイクに
またも胸きゅんを覚えつつ・・・。
マニアですから。(笑)


5.   Lucky To Be Me
ひきつづきバーンスタインの作品。
モニカはしっとり歌っていますが、
もう少しアップテンポにしました。
それにしても、バーンスタインの曲・・・。
旋律も難しいし、コードも難しいです。
オーケストラならともかく
ピアノと歌というシンプルな構成で
楽譜どおりに弾くとさっぱりしすぎで
何の奥行きもない。
かといって、よくわからないままテンションをつけると
旋律とぶつかって邪魔をする。
ここは宮下さん頼み。(笑)
陰影のあるコードをつけて演奏してくださいました。
これぞヨーロピアン研究会です。
ピアニスト頼みなところが申し訳ないですが・・・。

7.    It Could Happen To You 
これがですね、もう🩷

宮下さんはエヴァンスがこのアルバムの中で弾いているイントロをつけてくださったのです!
とってもキュートなんですよ。

もうあげあげ⤴️⤴️⤴️です。

この曲のスキャットすることもあるのですが、今回は封印。

以上が1stセットの内容でした。
なかなか難曲揃いでした・・・。

それから、モニカはほとんどの曲をBbで歌っていました。
もしかすると音域が狭いのかしら、
それとも何か意図するものがあってのことなのか・・・。
ライブで同じキーが続くと単調になるので、
一部キーを変えて歌いました。

 

2ndは曲のセットと一部のみ説明をあげておきます。

1. Looking For The Sky 星を探して

宮下さんのオリジナル曲です。
ヨーロピアンな空気漂っているので、これは入れなくては。
しかし、これが#6つ、転調につぐ転調・・・。
気を抜くと持って行かれる・・・。
緊張感あふれる美の世界。(笑)
でも、初演の時よりは表現できるようになっている気がします。
 
2.    The Girl From Ipanema    
3. In A Mellowtone
4.  Body And Soul
5.    One Note Samba
6.    My Favorite Things 
7.    LOVE

アンコール     Smile  

 

ヨーロピアンジャズ研究会、次回Vol.2は6月23日日曜日。
もちろん次回も宮下博行さんにご一緒いただきます。

Rastro845での決定している日程をご案内しておきます。
音環境もよくて、皆さんに好評です。

5月25日土曜日
木下孝朗(pf)
niko(vo)

6月23日日曜日
ヨーロピアンジャズ研究会Vol.2
宮下博行(Pf)
niko(vo)

7月27日土曜日
シティポップ×ジャズ
押領司由紀(pf)
niko(vo)

 

大阪市中央区西心斎橋1丁目5-13
大塩アメリカ村ビル4F

jazz845.jp

 

【関西】ジャズライブが聴けるお店案内 その2 Rastro845

ジャズヴォーカリストのnikoです。

初めてジャズライブに来てくださる方のために

ジャズライブが聴けるお店について

わたしなりに案内してみようと思います。

わたしが出演しているお店メインになることご容赦くださいね。

前回は神戸ハーバーランドのラ・スイートをご紹介しました。

nikojazz.hatenablog.com


今回は昨年夏にオープンした心斎橋のRastro845さんです。
もうまさに大人の隠れ家っぽいんです。

jazz845.jp



まずは道案内。

地下鉄心斎橋駅からほんとにすぐ近くです。
アップルストアを目印に来てくださいね。
アップルストアのある通りに入ると
アメリカ村のシンボル、黒田征太郎さんの壁画が見えます。
この壁画(ピース・オン・アースというらしい)を左に見ながら進んでくださいね。

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マクドナルドを通り過ぎて、
御堂筋から最初の角(お洋服屋さんがあります)を右に曲がります。
曲がったらすぐにRastro845が入っているビルです。
大塩アメリカ村ビルの4階です。
ビル全体の入り口が8時で閉まってしまいます。
8時以降にお見えになる際は1階のガラスドアの横のインターフォンを押してください。
これがまた隠れ家っぽい・・・。♡
写真撮った時間が早かったので、
まだ外に看板が出ていません。

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この日は私が出演していたので、私のフライヤーを貼ってくださっています。

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エレベーターで4階へ。
4階には845だけが入っています。
写真は1階のエレベーターホールです。

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4階に着くと、ドーンと845のブルーのドアが迎えてくれます。
難波店のドアもこのデザインです。
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ドアの前にはライブの案内が出ていますね。
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お店に入るとグランドピアノがどうだー!って感じでいらっしゃいます。
YAMAHAのCXシリーズです。
ぎゅっと引き締まった感じのりりしい音だとわたしは思うのですが、
みなさまはどう感じるでしょうか。

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ステージから見た客席はこんな感じです。
カウンターとビンテージっぽい椅子が数客あります。
壁にはCDがずらり。
まるで誰かのお部屋に遊びに来たような・・・。
いや、こんな部屋があったらおしゃれすぎます。

このビンテージっぽい椅子が
なかなか座り心地がいいのです♡


カウンター。
こちらは以前のもので、
現在(2024年3月)は、少し長さが短くなっています。
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おつまみと簡単な軽食、とドリンクがあります。
軽食はローストビーフサンド、キーマカレーなど。
珈琲はとってもよい香りで美味しそうでした。(飲んでない(;^_^A)
先日から「オレンジワイン」にすごく力を入れていらっしゃるそうです。
ものは試し・・・といただいたら
これ、本当に美味しかったです。
ジョージア(昔のグルジア)のワインだそうですよ。


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グラスに注ぐとこんな色でした。

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気になるお値段ですが、
ライブチャージ+2ドリンクです。
ライブチャージは出演者によって異なるので、
スケジュールを見てご確認くださいね。

ドリンクはアルコール・ノンアル、もちろんどちらもあります。
ソフトドリンクは500円から800円、
クラフトコーラやクラフトジンジャーエールがあります!

アルコールは800円~という価格帯です。

今のところライブは「ほぼ」毎日行われています。
毎日ではないので、スケジュールはご確認の上おでかけくださいね。

夜は基本的に19:30-22:00。
昼ライブもあったりしますので、
お確かめの上おでかけください。
早めに終わるので、なんとなくいつも
アフタートークに花が咲きがちです・・・。

客席との距離が近い、
まさにジャズバー、
心斎橋大人の隠れ家という雰囲気のRastro845をご紹介しました。

jazz845.jp




私の出演は3月23日土曜日です。

nikojazz.hatenablog.com


よろしければ、お運びくださいね。

niko

ヨーロピアンジャズ研究会?

nikoです。

早いものでもう2月も後半です。

なんとなくですが、 

2024年のペースができつつあります。

 

さて3月のライブをお知らせします。

3月1日金曜日はいつもの神戸ラ・スイートで。

押領司由紀さんにご一緒いただきます。

↓こんな2人がお待ちしてます。

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そして、新しい取り組みを始めます。

私はアメリカやカナダのシンガーに加えて

ヨーロッパのジャズにも興味がありまして。。。

ヨーロピアンジャズなんて呼ばれてたりしますが、

何に魅力を感じているのか掘り下げてみようと思います。

 

名付けて「ヨーロピアンジャズ研究会」。

初回は3月23日土曜日。

モニカ・ゼタールンドを取り上げます。

✨キラキラ✨ピアノサウンドの宮下博行さんの 

強力なサポートをいただき、
心斎橋の845でスタートいたします。

是非是非見届けてやってくださいませ‼️

 

■2024.03.23土曜日 
START 19:30~/20:30~

■チャージ ¥3,000+2DRINK

■出演 宮下博行(pf) niko(vo)

■心斎橋 Rastro845

〒542-0086
大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目5−13
大塩アメリカ村ビル 4F

https://jazz845.jp/bar/rastro/

 

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#jazz
#ライブ
#ジャズ
#心斎橋
#夜遊び
#大阪

#神戸

 

年明け1月13日はBAR itisで

nikoです。
昨年夏に初めて出していただいた心斎橋のBAR itis(バーイッツ)さん
その後11月にも出していただき、年明けまた出していただくことになりました。
応援してくださるみなさま、
ご縁をつないでくださったY嬢をはじめとするみなさまのおかげです。
ありがとうございます。

今回は宮下博行さんにご一緒いただきます。
もうとっても長くおつきあいいただいているピアニストさんです。
ヨーロッパ系と言われていらっしゃいますが、
実はスタンダードジャズも大好きでいらっしゃるんですよ。
この日はご自身のオリジナル曲も演奏していただけそうです。

出演が決まった時から宮下さんと色々やりとりをしていて
ちょっといつもとは違う内容でお届けできるのではないかなあ、
と考えています。
イデアはいっぱいふくらむばかりなのですが、
いかんせん準備のための時間と技術が(;^_^A
あ、技術については私だけです。
宮下さんは何を言っても「いいよ」とどんと受けてくださるので。

やりたいことは山のようにありますが、
それを実現するには練習の前に
イデアをちゃんと楽譜にしなくてはいけません。
楽譜にする前に試行錯誤の時間が必要で・・・。
と色々課題はありますが、
自分自身へのチャレンジのようでもあります。
ほんとに楽しみなライブになると思います。
時々進捗状況もブログに書いてみようかと思います。

さて、こちらのBAR itisさんはグランドピアノがあって、
ピアノの周りをぐるっとカウンターが囲んでるというレイアウトです。
個人的には昔テレビや映画の中で見て子供心に憧れたレイアウトです。

バーですから
ウイスキーをはじめお酒の種類も豊富。
ぜひぜひ大人の雰囲気とお酒を楽しみにいらしてください。
と言いつつも、土曜日はにぎやかな夜になりそうです。

場所は心斎橋です。


■2024.01.13.土曜日 OPEN 19:00~ START 19:30~/20:30~/21:30~

■チャージ ¥2,000+FOOD/DRINK

■出演 宮下博行(pf) niko(vo)

■BAR it is(バーイッツ)  TEL 06-6213-0622

大阪市中央区心斎橋筋2-3-2 クインズコートビル1F

アクセス       
地下鉄御堂筋線なんば駅14番出口より北に徒歩5分。

地下鉄御堂筋線・心斎橋駅6番出口より南に徒歩10分。

 



News for Jazz Lovers!  
Join us this Saturday night for a live jazz experience in Osaka-City! 
You can enjoy many kinds of whiskey at BAR "it is".
We play jazz tunes.
Most of the songs would be sang in English.
Singer talks English. 

Date: Sat. 01/13 19:30〜 
Location: BAR it is 
QUEEN’S  COURT bldg. 2-3-2 Shinsaibashisuji Chuo-ku, Osaka-City 
Tickets: ¥2,000 + drink 

 

 

 

 

音楽の力

nikoです。
色々忘れないうちに書いておきたいことが・・・。

先日、高岡正人さんにご一緒いただいたときのこと。
いつも演奏の時はかなり早めに会場に着くようにしています。
気持ちに焦りがあると、
本人は平気なつもりでもどこか演奏に影響が出る気がするので
できるだけ余裕を持った状態でいたくて。

ところがこの日は電車が遅延。
もともと余裕をもって家を出ているのだけど
遅延のせいで車内がすごい混み具合。
いつもは座れる電車なのに満員で立った状態が長く続きました。
演奏時は荷物が多いし重いのでかなりつらい。
しかも秋なのに夏のように気温が高く、車内の室温が高い。
更に人との距離が近く不快極まりない状態でした。

そこに最近JRの車内によく設置されているモニター。
この日は戦争で破壊された都市や人質に関する映像が次々映されていました。
それを黙って見るしかない立ち位置でした。

目的の駅に着いた時は吐きそうでした。
メンタルによるものなのか物理的環境による体調不良なのか
よくわかりません。

わー、この状態で演奏できるかな。
大丈夫かな、
何かリフレッシュしないと・・・
と思い、方法を探すのですが見つかりません。
そうこうしているうちに、会場に入る時間が近づいてくる・・・。

仕方ないので、吐き気を抑えながら会場に入りました。
いつもどおり簡単な打ち合わせと機材チェックを終えましたが、
しんどい状態は変わらず。
最悪の場合は途中からピアノソロの演奏に切り替えてもらおう
と考えていました。

ところが・・・。
いつも歌の前に1曲、ピアノソロでの演奏をお願いしています。
この日、高岡さんが1曲目に選ばれた曲が”Moon&Sand”
好きな曲で私自身も歌うのですが、
とにかく高岡さんの演奏は美しいの一言でした。
聴いているうちに美しい音の一つ一つが自分の体の中に入ってきて
じわっと体内に広がって
痛んでいるところを修復してくれるような、そんな感覚でした。
曲の途中から、ああ大丈夫、歌える、と思えるようになりました。

実は音楽を聴いていてそういう感覚になった経験はこれまでにもあります。
音楽には何かエネルギーがあると思っています。

東北大震災の時やコロナで演奏活動が厳しい時に
こんな非常時に音楽していて意味があるのか、
なんて声が出ていましたが、私は十分あると信じています。
実際、私は癒されてきているのです。
2020年春~夏は毎晩小曽根真さんの毎晩の演奏配信に力をもらっていましたし、
他の方の演奏で心や体の調子がよくなったことが何度もあります。

戦いはなくならない
これだけ医療技術が発達しても病はなくならない
差別も犯罪も貧困もなくならない。

どうかすると悲観的になってしまいそうな世の中ですが、
それでも美しいものは変わらず存在している。
人の美しいものをつくりだす力は失われていない。
そのことを心にしっかりとどめておこう
なんてことを思っていました。

ちょっとオーバーーですが、
音楽の力について忘れないうちに書いておこうと思った次第です。

Moon And Sand 
こちらはキース・ジャレットの演奏。

youtu.be






11月25日、BAR itisで。

nikoです。
この夏初めて出していただいた心斎橋のBAR itis(バーイッツ)さんに
再度出していただくことになりました。
今回は高岡正人さん、通称”殿下”にご一緒いただきます。
力強かったりリリカルだったり、
もう本当に素晴らしいピアノを弾かれます。
ご一緒いただくのが本当に楽しみです。


こちらのBAR itisさんはグランドピアノがあって、
ピアノの周りをぐるっとカウンターが囲んでるという
昔テレビや映画の中で見て
子供心に憧れたレイアウトです。

バーですから
ウイスキーをはじめお酒の種類も豊富。
ぜひぜひ大人の雰囲気とお酒を楽しみにいらしてください。

場所は心斎橋です。

■2023.11.25.土曜日 OPEN 19:00~ START 19:30~/20:30~/21:30~

■チャージ ¥2,000+FOOD/DRINK

■出演 高岡正人(pf) niko(vo)

■BAR it is(バーイッツ)  TEL 06-6213-0622

大阪市中央区心斎橋筋2-3-2 クインズコートビル1F

アクセス       
地下鉄御堂筋線なんば駅14番出口より北に徒歩5分。

地下鉄御堂筋線・心斎橋駅6番出口より南に徒歩10分。

News for Jazz Lovers! 
Join us this Saturday night for a live jazz experience in Osaka-City! 
You can enjoy many kinds of whiskey at BAR "it is".
We play jazz tunes.
Most of the songs would be sang in English.
Singer talks English.

Date: Sat. 11/25  19:30〜
Location: BAR it is
QUEEN’S  COURT bldg. 2-3-2 Shinsaibashisuji Chuo-ku, Osaka-City
Tickets: ¥2,000 + drink






 

”ヴァーモントの月”を聴きながら

nikoです。
昨夜はレギュラー出演中のラ・スイートでした。
おいでくださったお客様、ありがとうございました。
昨日もお誕生日の方がいらしてお祝いをさせていただきました!!
そして、お帰りの際にわざわざお声がけくださったお客様、ありがとうございました。
とってもうれしかったです。

さて、昨日はスーパーブルームーンの翌日だったこともあってムーン祭りでした。(笑)
月という言葉が入ってジャズの曲はたくさんあるので、意識して選んでみました。
ご一緒いただいたピアニストが”Moonlight in Vermont"を弾いてくれて
それがとても美しくて。
聴きながらふと思い出したことがあるので書いてみます。

数年前、ニューヨークに行った時のこと。
ニューヨークは2回目でしたが、ライブ観戦や買い物ばかりで
観光名所に行ってなかったので観光名所を巡ることに。
日本人向けのツアーに申し込みました。
現地に住んでいる日本人男性の運転する車で観光名所を短時間で回れるというもの。
参加者は私と20代後半か30代風の女性2人組の3人。


ツアーはアッパーウェストサイドから始まって、
ジョン・レノンの住んでいたダコタハウスを見てセントラル・パークへ。
ストロベリーフィールズのあたりで自由に散策することになりました。

私はツアーに参加してる2人組の後ろを歩いていました。
イマジンの記念碑(地面に埋め込まれたモザイク)の近くで小さな事件発生。

なんだこれ、意味わかんない、頭おかしいんじゃないのと言って小石を蹴っ飛ばして、笑いながら歩いていく2人。
何かなと思って見たら、
ピースマークの形に小石が並べられていた様子。
そしてその横に顔を真っ赤にして怒りに耐えている白人青年。
拳を握りしめて。


あ。これ、この人が作ったんだ。
わ、腹立つよね。
あの2人、どんだけ周りが見えてないんだ💦


思わず声をかけていました。


あなたがつくったの?


そうだ。


ここピースマークにぴったりの場所だもんね。
彼女たち、ピースマークの意味もここがどういう場所かも知らなかったんだろうね。
(思わず日本人として謝りそうになったが、私が謝る筋合いはないのでこらえる😅青年、ちょっと表情が和らぐ。)


私は日本から来たのですが、あなたはどこの人?
ニューヨーク?


僕はヴァーモントから観光に来たんだ。


ヴァーモント⁉️
行ったことないんだけど、ヴァーモントの月っていうきれいな曲があるよね!


うん!知ってるの?
州の歌だよ。


いいね、あんなきれいな曲が州の歌なんて!
きっとヴァーモントってとってもきれいな場所なんだろうなと曲を聞くたびに想像してます。


僕の住んでるところは山と森があって、自然が豊かだよ。


ああ、やっぱり!
いつか行ってみたいです。
じゃあ、私時間があるから行きますね。
さよなら、お話できてよかったです。


良い1日を!


あなたも!


少しでも気分が回復してくれてたらいいなと思いながらその場を離れました。
私が彼の気持ちを修復する義務なんてないんだけど。
振り返ったら、彼は壊れたピースマークをつくり直していて
それを見たら泣きたくなりました。
何の感情かいまだによくわからない(;^_^A


集合時間が来て2人と合流して、
ストロベリーフィールズがどういう場所か、
あなた達が何をしたか説明しようと思ったんだけど、やめました。
会話の様子を聞いていて、理解してもらえると思わなかったから。

 

この時、私自身は少しでも音楽のことを知っていて良かったと心から思ったのです。
いろんなものを与えてくれるだけでなく、
目の前にあるものと
そこにいる人の気持ちを理解するのに役に立ったから。


・・・と、バーモントの月を聴きながらこんなことを思い出していました。

あとね、つい最近経験したことで
日本人はほんとに謙虚なのか?
目の前のものを理解できないからといって、敬意を払えない人がいるのはなぜ?
なんてことも思い出しつつ。


自分はどうなのかな。
敬意を払ってるつもりでいても、
結果としてあの2人組と同じことしてないかなー、などとわが身もふりかえりながら。

人生で初めて聞いたMoonlight in Vermont"はエラ・フィッツジェラルド
sycamoreシカモアという単語を初めて覚えたのもこの曲のおかげ。
シカモア:木の名前。日本語ではスズカケノキ 

youtu.be


ニューヨークヴォイセズのダーモンのアレンジを見つけちゃいました♡
美しいだけじゃなく、会話のようなかけあいが入っていて楽しいアレンジです。
聴き入ってしまいます。


youtu.be




アーマッド・ジャマルの演奏も素敵です。
今年亡くなっちゃいましたね。

youtu.be


ウィントン・ケリー
短い演奏時間にこの曲の良さが圧縮されているみたいな演奏です。

youtu.be


久々にオタク度の濃いブログになってしまいましたかね。

BARイッツでした!

nikoです。

昨夜はBARイッツ、初出演でした!
おいでくださったお客様、お店の皆さま、
押領司さん、ありがとうございました‼️

おかげさまでとっても賑やかな心斎橋の夜でした。
むかーしむかし、OLしていた頃の上司や先輩方、
学生時代や歌を始めてからのお友達、
お店の常連さんや音楽のあるお店を訪ねて来られた某大学の吹奏楽OBのみなさまにご一緒いただき、しあわせなひとときでした。


吹奏楽部のOBの集いってちょっとうらやましいですね。
私は出身大学が学生数少なかったので、
大勢で何かに取り組んだ思い出がちょっと少ないのです。


吹奏楽人口って実は結構多いみたいなんですよね。
(niko調べ。あくまでも肌感覚なので根拠に乏しい・・・)
吹奏楽の人たちが喜ぶ曲ってなんだろう?
昨日は他にも自らのレパートリーに追加するとしたらなんだろう?
と思いながら帰りました。

そうそう。
昨日は久々にクレア・フィッシャーの"Morning”という曲を演奏しました。
ラテン独特のモントゥーノといわれるピアノのリズムの繰り返しが入っているのですが、私はこの曲のモントゥーノがすごく好きで家で延々練習してました。(笑)
ピアニストでもないのに8小節を延々。
単に好きという理由だけで。
もうこれだけで晩御飯食べられる。(笑)

クレア・フィッシャーは、超スタンダードを演奏しているものも
都会的な感じがして大好きです。

youtu.be

 

 

写真その1

演奏中、楽しそうなわたし😅

音の中にいると幸せな気持ちが勝ってしまって、

ブルースさえも楽しげに聞こえると歌の先生から苦言をもらったことがあります🤣

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写真その2

終演後。ガオーのポーズ。

ガオーというよりは、本人はいただいたプレゼントを手に持ってるつもり。。。

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写真その3

帰宅後。これまたいただいたバルーンアートミッフィーと自撮り。
顔テカってます(;^_^A。

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次回、私は9月1日、いつものラ・スイートで演奏しています。
あと来月は何かイベントに出るみたい。

♪9月1日金曜日 20:00〜
押領司由紀(pf) / niko(vo)
 チャージ 1100円+ご飲食代+サービス
神戸ラ・スイート内グランブル

www.l-s.jp

 



【初出演!】8月26日心斎橋BAR itis!

nikoです。
8月に心斎橋のBAR itis(バーイッツ)さんに
初めて出していただくことになりました。

グランドピアノがあって、
ピアノの周りをぐるっとカウンターが囲んでるという
昔テレビや映画の中で見て
子供心に憧れたレイアウトです。

バーですから
ウイスキーをはじめお酒の種類も豊富。
8月の終わりですからまだ暑いでしょうね。
ぜひ冷たい飲み物でのどを潤しにいらしてください。
場所は心斎橋です。

■2023.08.26.土曜日 OPEN 19:00~ START 19:30~/20:30~/21:30~

■チャージ ¥2,000+FOOD/DRINK

■出演 押領司由紀(pf) niko(vo)

■BAR it is(バーイッツ)  TEL 06-6213-0622

大阪市中央区心斎橋筋2-3-2 クインズコートビル1F

アクセス       
地下鉄御堂筋線なんば駅14番出口より北に徒歩5分。

地下鉄御堂筋線・心斎橋駅6番出口より南に徒歩10分。






8月26日BARイッツのフライヤー